目次
- 委任できる業務
- 行政士の種類による業務範囲の違い
- 委任できない業務
- 委任前の確認5項目
- 無資格代行と違反行為への制裁
- 委任後に行政士が負う義務
- よくあるご質問
韓国の行政士(행정사)は、日本の行政書士事務所に相当する韓国の行政士事務所に所属し、他人の委任を受けて行政機関に提出する書類を作成し、認可・許可・免許・承認の申請や届出を代理する有資格者です。その業務範囲は事務所が独自に定めるものではなく、「行政士法」第2条と同法施行令第2条が条文で定めています。したがって委任前に確認すべきものは広告の文言ではなく、法令がその事務所に認めた業務の境界です。
本稿は現行の「行政士法」(法律第19034号、2022年11月15日施行)と同法施行令(大統領令第35813号、2026年1月1日施行)の原文に基づき、委任できる範囲と委任できない事項、委任前の確認項目、違反時の制裁を整理します。記載の数値はすべて上記2法令から確認しています。
委任できる業務
「行政士法」第2条第1項は行政士の業務を7号に列挙し、ただし書で「他の法律により制限された業務は行うことができない」と定めています。許認可実務で中心となるのは第5号、すなわち認可・許可及び免許等を受けるために行政機関に対して行う申請・請求及び届出等の代理です。
同法施行令第2条第5号は、この事務を「他人の委任を受けて、認可・許可・免許及び承認の申請・請求等、行政機関に一定の行為を求め、又は届出をする事務を代理すること」と具体化しています。つまり行政士は申請書に委任者の氏名を記載するだけでなく、行政機関に対する申請・届出の行為そのものを代理できます。
残りの業務も許認可の流れに沿います。行政機関に提出する書類の作成(第1号)、権利義務又は事実証明に関する書類の作成(第2号)、翻訳(第3号)、作成・翻訳した書類の提出代行(第4号)、行政関係法令に関する相談への応答(第6号)、委託を受けた事務の事実調査及び確認(第7号)です。
整理すると、許認可1件の委任範囲は、要件の検討から申請書と添付書類の作成、行政機関への提出代理、補正要求への対応、許認可証の受領までの全工程に及びます。業種ごとの必要書類は国際物流周旋業の登録や食品製造加工業の許可の案内をご確認ください。
行政士の種類による業務範囲の違い
行政士は一種類ではありません。同法施行令第3条は行政士を一般行政士、海事行政士、外国語翻訳行政士に区分し、種類ごとに業務範囲を定めています。委任しようとする事項がその事務所の種類の範囲内にあるかが最初の確認事項です。
| 種類 | 業務範囲 | 許認可の代理 |
|---|---|---|
| 一般行政士 | 法第2条第1項各号の業務(第3号の翻訳を除く)。海運又は海洋安全審判に関する業務は除く | 可能 |
| 海事行政士 | 海運又は海洋安全審判に関する法第2条第1項各号の業務(第3号を除く) | 海運・海洋分野に限る |
| 外国語翻訳行政士 | 法第2条第1項第3号(翻訳)及び第4号(翻訳書類の提出代行)の業務 | 翻訳・提出代行に限る |
外国人や外国法人が韓国の許認可を準備する際、本国書類の翻訳まで一括して委任したいという相談が多くあります。翻訳は外国語翻訳行政士の業務、許認可申請の代理は一般行政士の業務ですので、両方を併せて進めるにはそれぞれの種類の行政士が関与しているかを確認してください。
委任できない業務
第2条第1項ただし書の「他の法律により制限された業務」が委任の限界線です。訴訟代理や法律紛争の代理は弁護士の業務、税務調整・税務代理は税務士の業務、登記申請の代理は弁護士・法務士の業務であり、行政士が業として行うことはできません。
さらに同法第22条第3号は、行政士の業務範囲を超えて他人の訴訟その他の権利関係紛争又は民願事務の処理過程に介入する行為そのものを禁止行為と定めています。許認可が却下された後に行政審判や行政訴訟へ移る場面でこの境界が問題になりますので、委任の段階で却下後はどこまで委任できるのかを確認しておくと安全です。
第22条はこのほか、正当な理由のない委任の拒否、利害を異にする双方からの同一業務の受任(双方の同意がある場合を除く)、担当公務員との縁故等を示して影響力を及ぼしうるものとする宣伝、消費者を誤導するおそれのある広告、斡旋を業とする者を利用した委任の誘致を禁止しています。
委任前の確認5項目
次の5項目はいずれも法令に根拠があり、契約前にその場で確認できます。
| 確認項目 | 確認内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 届出確認証 | 事務所所在地の市長・郡守・区庁長が交付した確認証の原本。貸与・借用・斡旋はいずれも禁止されているため、証書の氏名と実際の担当者が一致するかを確認する | 法第12条・第13条 |
| 事務所 | 行政士は業務のための事務所を1か所のみ設置でき、合同事務所は2名以上で構成し、主事務所と分事務所にそれぞれ1名以上が常勤する必要がある | 法第14条 |
| 業務処理簿 | 委任を受けたときは、一連番号・委任年月日・業務の概要・報酬額・委任者の住所と氏名を記載した業務処理簿を作成・保管しなければならない | 法第24条 |
| 受任制限 | 公務員職を退職した行政士は、退職前1年から退職時までに勤務した行政機関に対する許認可申請代理の業務を、退職日から1年間受任できない | 法第21条の2 |
| 研修教育 | 行政士は市・道知事が実施する研修教育を受けなければならず、業務を開始するには行政安全部長官が施行する実務教育を修了する必要がある | 法第25条 |
事務所を移転した場合は、移転した日から10日以内に移転後の事務所所在地を管轄する市長等へ届け出なければなりません。委任契約書の住所と確認証の住所が異なる場合は、移転の届出が済んでいるかをお尋ねください。
法人形態であれば確認事項がもう一つあります。行政士法人は3名以上の行政士を構成員として設立でき、職務の遂行に際し故意又は過失で依頼人に損害を与えた場合の賠償責任を担保するため、損害賠償準備金の積立て又は保険加入等の措置を講じなければなりません。非営利法人の設立のように期間の長い案件では確認しておくと安心です。手続の流れは非営利社団法人の設立許可手続でご覧いただけます。
無資格代行と違反行為への制裁
行政士でない者は、他の法律により許容される場合を除き第2条の業務を業として行うことができず、行政士又はこれと類似する名称を使用することもできません。これらの禁止は罰則と過怠料によって担保されています。
| 違反行為 | 制裁 | 根拠 |
|---|---|---|
| 行政士でない者が行政士業務を業として行った場合、届出確認証の貸与・借用・斡旋 | 3年以下の懲役又は30,000,000ウォン以下の罰金 | 法第36条第1項 |
| 業務届出なく業務を行った場合、受任制限違反、縁故の宣伝、誤導のおそれのある広告、業務上の秘密漏洩、業務停止期間中の業務 | 1年以下の懲役又は10,000,000ウォン以下の罰金 | 法第36条第2項 |
| 報酬以外の金銭・財産上の利益の受領、正当な理由のない委任拒否、双方受任、権利関係紛争への介入、斡旋業者を利用した委任誘致 | 1,000,000ウォン以下の罰金 | 法第36条第3項 |
| 行政士又は類似名称の使用、正当な理由なく報告・資料提出命令に従わない場合 | 5,000,000ウォン以下の過怠料 | 法第38条第1項 |
| 事務所移転の届出をしない場合、業務処理簿の不作成又は虚偽作成、研修教育を受けずに業務を行った場合 | 1,000,000ウォン以下の過怠料 | 法第38条第2項 |
事務職員又は所属行政士が業務に関連して第36条に違反した場合は、行為者を罰するほか、その行政士又は行政士法人にも同条の罰金刑が科されます。ただし違反行為を防止するため相当の注意と監督を怠らなかった場合はこの限りではありません。
監督も実際に機能しています。行政安全部長官又は事務所所在地を管轄する市長等は、業務に関する報告や業務処理簿等の資料提出を命じることができ、所属公務員が事務所に立ち入って帳簿・書類を検査し、又は質問することができます。2か所以上の事務所を設置した場合や報酬以外の金品を受領した場合等には、6か月の範囲で業務停止が命じられることがあり、その処分は事由が発生した日から3年を経過すると行うことができません。
委任後に行政士が負う義務
委任契約が成立すると、行政士は品位を保持し、信義と誠実をもって公正に職務を遂行する義務を負います。委任された業務の遂行に際し故意又は過失で委任者に財産上の損害を与えた場合は、その損害を賠償する責任があります。
報酬関係も法律に定められています。行政士は業務を委任した者から報酬を受け、行政士及びその事務職員は業務に関して報酬以外にいかなる名目でも委任者から金銭・財産上の利益その他の反対給付を受けることができません。提出の過程で別途の費用を求められた場合は、その項目が行政機関に納める法定手数料かどうかをご確認ください。費用は事案ごとに異なりますので、無料相談の際に正確にご案内いたします。
守秘義務は委任終了後も残ります。行政士又は行政士であった者(その事務職員及び事務職員であった者を含む)は、正当な理由なく職務上知り得た事実を他人に漏らしてはなりません。許認可書類には事業計画と財務情報が含まれるため、この条文は実質的な保護となります。業種の判断が難しい場合の確認点は許認可行政士の選び方にまとめています。
法令の原文は国家法令情報センターでご確認いただけます。行政士法と行政士法施行令を併せてご覧ください。
よくあるご質問
Q. 申請書に代表者の氏名だけを記載し、行政士が代わりに提出してもよいですか。
A. 可能です。「行政士法」第2条第1項第5号は、認可・許可・免許等を受けるために行政機関に対して行う申請・請求・届出等の代理を行政士の業務と定め、同法施行令第2条第5号がその内容を「行政機関に一定の行為を求め、又は届出をする事務を代理すること」と具体化しています。代理人が提出する場合も、委任の事実を確認できる書類は必要です。
Q. 許認可が却下された場合、行政審判まで同じ行政士に委任できますか。
A. まず委任範囲をご確認ください。「行政士法」第2条第1項ただし書は他の法律により制限された業務を行えないと定め、同法第22条第3号は業務範囲を超えて他人の訴訟や権利関係紛争に介入する行為を禁止しています。却下後の手続は、委任の段階でどこまで委任できるかを整理しておくと安全です。
Q. 行政士資格のないコンサルティング会社に許認可代行を委任してもよいですか。
A. お勧めしません。「行政士法」第3条第1項は、行政士でない者が他の法律により許容される場合を除いて行政士業務を業として行うことを禁止し、同法第36条第1項は違反者を3年以下の懲役又は30,000,000ウォン以下の罰金に処しています。無資格代行は手続が中断するリスクも伴います。
Q. 担当公務員を知っていると宣伝する事務所はどう判断すべきですか。
A. 法が禁じる宣伝です。「行政士法」第22条第4号は、関連公務員との縁故等の私的関係を示して影響力を及ぼしうるものとして宣伝する行為を禁止し、同法第36条第2項はこれを1年以下の懲役又は10,000,000ウォン以下の罰金に処しています。
Q. 委任前に届出確認証を必ず確認すべきですか。
A. 確認をお勧めします。届出確認証は管轄の市長等が行政士業務届出を受けて交付する証書であり(同法第12条第1項)、同法第13条は確認証の貸与と貸与の斡旋をいずれも禁止しています。証書の氏名と実際に業務を行う行政士が一致するかを見ることが、無資格代行を見分ける最も簡単な方法です。
まず委任できる範囲を整理します
業種・事案ごとにどこまで委任できるか、どの書類が必要かを柳善行政士事務所が先に確認いたします。電話 02-363-2251、平日 09:30~17:30 KST。
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