位置情報

韓国 位置情報事業の登録と位置基盤サービス事業の届出の違い — 3類型の区分基準

2026年9月16日 · YouSun Administrative Attorney

韓国 位置情報事業の登録と位置基盤サービス事業の届出の違い — 3類型の区分基準

目次

  1. 位置情報関連事業は3類型に分かれます
  2. 個人位置情報事業 — 登録対象
  3. 事物位置情報事業 — 届出対象
  4. 位置基盤サービス事業 — 届出対象
  5. 小商工人・一人創造企業の届出特例
  6. 変更・譲受・休業・廃業の届出義務
  7. 無登録・無届出の場合の罰則
  8. よくある質問(FAQ)
この記事でわかること
① 個人位置情報事業(登録)・事物位置情報事業(届出)・位置基盤サービス事業(届出)の区分基準
② 個人位置情報事業の登録要件(法人限定)と処理期間(2か月以内、1回に限り2か月の範囲で延長)
③ 小商工人・一人創造企業の届出特例と、期限を徒過した場合の罰則

1. 位置情報関連事業は3類型に分かれます

韓国で位置情報を取り扱う事業は、「位置情報の保護及び利用等に関する法律」(위치정보의 보호 및 이용 등에 관한 법률。以下「位置情報法」)により、個人位置情報事業(登録)・事物位置情報事業(届出)・位置基盤サービス事業(届出)の3類型に分かれます。要件も、処理方式も、違反時の罰則の重さもそれぞれ異なるため、まず自社サービスがどの類型に当たるかを確定する必要があります。

区分の出発点は2つの問いです。第一に、位置情報を自ら収集して他の事業者に提供するのか(位置情報事業)、それとも位置情報を利用したサービスを利用者に提供するのか(位置基盤サービス事業)。第二に、その位置情報が個人位置情報に当たるか否かです。位置情報法第2条は、位置情報事業を「位置情報を収集して位置基盤サービス事業を営む者に提供することを事業として営むこと」、位置基盤サービス事業を「位置情報を利用したサービスを提供することを事業として営むこと」と定義しています。

[位置情報の保護及び利用等に関する法律 第2条] 第6号「位置情報事業」とは、位置情報を収集して位置基盤サービス事業を営む者に提供することを事業として営むことをいう。第7号「位置基盤サービス事業」とは、位置情報を利用したサービスを提供することを事業として営むことをいう。

2026年基準で3類型を整理すると次のとおりです。所管機関はいずれも放送メディア通信委員会(방송미디어통신위원회)です。

区分対象手続法人要件根拠条文
個人位置情報事業個人位置情報の収集・提供登録(審査あり)法人のみ法第5条
事物位置情報事業個人位置情報以外の位置情報のみ収集・提供届出(受理)制限なし法第5条の2
位置基盤サービス事業個人位置情報を利用したサービス提供届出(受理)制限なし法第9条

重要な除外規定が1つあります。個人位置情報を対象としない位置基盤サービス事業は、届出の対象から除外されます(法第9条第1項括弧書き)。すなわち、事物の位置情報のみを利用してサービスを提供する場合、位置基盤サービス事業の届出義務自体が生じません。実務で最も誤解が生じやすい箇所ですので、収集・利用する位置情報が特定の個人を識別し得るものかどうかから確認してください。

2. 個人位置情報事業 — 登録対象

個人位置情報を収集して位置基盤サービス事業者に提供する場合、放送メディア通信委員会への登録が必要です。他の2類型との決定的な違いは2点あります。単なる届出ではなく要件審査を経る登録であること、そして法人のみが申請できることです。個人事業者は法人化しない限り参入できません。

法第5条第1項は登録要件を4つ定めています。

  • 法人であること — 個人事業者は不可
  • 物的施設 — 事業目的の達成に必要な設備を備えること
  • 技術的・管理的措置 — 個人位置情報および個人位置情報主体等の権利保護のための措置
  • 欠格事由がないこと — 法第5条第1項第4号各目のいずれにも該当しないこと

登録申請では、商号、主たる事務所の所在地、位置情報事業の種類および内容、位置情報システムを含む事業用主要設備を記載します。添付書類は、施行令別表1の記載事項を含む事業計画書と、設立予定法人の場合の株主名簿です。法人登記事項証明書は行政情報の共同利用により確認されるため、別途提出は不要です。

処理期間は、申請書を受理した日から2か月以内に登録の可否を通知するものとされ、やむを得ない事情がある場合は2か月の範囲で1回に限り延長されます。書類補完に要した期間はこの2か月に算入されないため、補完要求が繰り返されると実際の所要期間は大幅に延びます。事業計画書の完成度がそのまま審査スピードに直結するとお考えください。

審査を通過すると登録証が交付され、登録台帳には登録番号および登録年月日、商号および代表者氏名、事業の種類・内容、主たる事務所の所在地、資本金または資産評価額、事業用主要設備の内容および設置場所、登録条件が記載されます。放送メディア通信委員会は、位置情報の正確性・信頼性の向上や個人位置情報の保護のための研究・開発が必要と判断する場合、登録に条件を付すことができ、この条件を履行しない場合は登録取消しまたは事業廃止命令の事由となります。

3. 事物位置情報事業 — 届出対象

個人位置情報を対象としない位置情報事業、すなわち事物位置情報事業は、登録ではなく届出で処理されます。車両管制、物流資産のトラッキング、IoT機器の位置収集など、特定の個人を識別しない位置情報のみを扱う事業がこれに当たります。法人要件がないため、個人事業者でも届出が可能です。

届出事項は、商号、主たる事務所の所在地、位置情報事業の種類および内容、位置情報システムを含む事業用主要設備の4つです。添付書類は次のとおりです。

番号書類名備考
1事物位置情報事業届出書電子文書可
2事業者現況および事業内容を含む事業計画書
3事業用主要設備の内容および設置場所を確認できる書類
4位置情報の保護措置を証明する書類法第16条の技術的・管理的措置

注意すべき制限が1つあります。法第13条第1項による事業廃止命令を受けてから1年を経過していない者(法人の場合はその代表者を含む)は、事物位置情報事業の届出をすることができません。新たに法人を設立しても代表者が同一であれば阻まれるため、過去の処分歴がある場合は届出前に期間を確認する必要があります。

他方、個人位置情報事業の登録を申請する際に事物位置情報事業の届出に必要な書類を併せて添付した場合は、事物位置情報事業の届出をしたものとみなされます。個人位置情報と事物位置情報の双方を扱う事業者にとって、手続を一本化できる実務上有用な規定です。

4. 位置基盤サービス事業 — 届出対象

収集された位置情報を活用して利用者にサービスを提供する事業は、位置基盤サービス事業の届出対象です。デリバリーアプリ、配車、地図・ナビゲーション、周辺店舗検索、見守りサービスなど、大半の位置情報系アプリサービスがここに含まれます。自ら測位せず、通信会社や地図事業者から位置情報の提供を受けて利用する場合でも届出対象である点は見落とされがちです。

届出事項は、商号、主たる事務所の所在地、事業の種類、位置情報システムを含む事業用主要設備です。添付書類は事業計画書・主要設備確認書類・位置情報の保護措置証明書類であり、事物位置情報事業の届出と同一の構成です。法人登記事項証明書または事業者登録証明は、行政情報の共同利用により確認されます。

事物位置情報事業と同様に、事業廃止命令を受けてから1年を経過していない者は届出をすることができません。また、個人位置情報事業の登録申請時に位置基盤サービス事業の届出に必要な書類を添付した場合は、位置基盤サービス事業の届出をしたものとみなされます。位置情報を自ら収集しつつ自社アプリサービスも運営する構成であれば、このみなし規定を活用して登録・届出を一括で進めるのが効率的です。

届出後は、利用約款の公開義務と個人位置情報処理方針の公開義務が伴います。位置基盤サービス事業者は、サービス内容と位置情報の収集・利用・提供に関する料金および条件等を自社ホームページ等で公開しなければならず、変更する場合はその理由と変更内容を遅滞なく公開する必要があります。「個人情報保護法」(개인정보 보호법)に基づき個人情報処理方針を公開する際には、個人位置情報の処理目的・保有期間、確認資料の保有根拠・保有期間、破棄の手続・方法、第三者提供に関する事項を含めなければなりません。詳細な届出手続は位置基盤サービス事業の届出手続ガイド、外国法人による韓国国内での届出方法は外国企業の位置基盤サービス事業届出の解説をご参照ください。

5. 小商工人・一人創造企業の届出特例

「小商工人基本法」(소상공인기본법)第2条による小商工人、または「一人創造企業育成に関する法律」(1인 창조기업 육성에 관한 법률)第2条による一人創造企業は、届出をせずに位置基盤サービス事業を開始することができます。初期の創業者がサービス公開前に行政手続で足止めされないよう設けられた特例です。ただし無期限の免除ではなく、猶予に近い性格のものです。

事業を開始してから1か月が経過した後も継続して位置基盤サービス事業を行おうとする者は、事業開始日から1か月以内に、商号、主たる事務所の所在地、事業の種類および内容を届け出なければなりません。届出方法は、小商工人等であることを証明する書類と届出書を提出するか、放送メディア通信委員会が指定する情報システムに届出事項を入力する方法によります。

[位置情報法 第9条の2第1項ただし書] ただし、事業を開始してから1か月が経過した後も継続して位置基盤サービス事業を行おうとする者は、事業を開始した日から1か月以内に、次の各号の事項を大統領令で定めるところにより放送メディア通信委員会に届け出なければならない。

特例の適用後に管理すべき期限がさらに2つあります。

  • 変更届出:届け出た商号または主たる事務所の所在地を変更した場合、変更した日から1か月以内
  • 通常の届出への移行:小商工人等に該当しなくなった場合、その事由が発生した日から1か月以内に、通常の位置基盤サービス事業の届出に必要な事項を補完して届出

成長段階のスタートアップが最も見落としやすいのが2つ目です。売上高や常時従業員数が増加して小商工人の基準を外れた時点から1か月の期限が動き始め、これを徒過すると特例ではなく無届出営業となります。小商工人要件からの逸脱の有無は、会計年度の決算時点で併せて点検することをおすすめします。

6. 変更・譲受・休業・廃業の届出義務

当初の登録・届出を終えれば完了というわけではありません。位置情報法は、事業運営中に生じる変動について類型ごとに異なる後続手続を求めています。特に個人位置情報事業者は、同じ事象であっても届出ではなく変更登録・認可・承認というより重い手続を要する点が要点です。

変動事由個人位置情報事業者事物位置情報事業者位置基盤サービス事業者
位置情報システムの変更変更登録変更届出変更届出
商号・主たる事務所の所在地の変更変更届出変更届出変更届出
事業の譲受・法人の合併・分割認可届出届出
休業・廃業承認届出届出

休業には共通の上限があります。休業期間は1年を超えることができません。休業期間の経過後、正当な事由なく事業を開始しない場合は、登録取消しまたは事業の廃止・停止命令の対象となります。また、承認を受けずまたは届出をせずに6か月以上継続して事業を行わない場合も同様の処分事由に該当します。

利用者への通報義務と破棄義務も併せて生じます。休業・廃業の承認を受けた個人位置情報事業者は、休業または廃業しようとする日の30日前までに、個人位置情報主体へ範囲および期間(または廃業日)を通報しなければならず、休業・廃業と同時に個人位置情報および位置情報収集事実確認資料を破棄しなければなりません。位置基盤サービス事業者も同様に、休業・廃業しようとする日の30日前までに個人位置情報主体へ通報して届け出る必要があり、廃業と同時に個人位置情報および位置情報の利用・提供事実確認資料を破棄しなければなりません。廃業届出の際には、通報の事実と破棄の事実を証明する書類を併せて提出します。

7. 無登録・無届出の場合の罰則

位置情報法の制裁は、手続の類型に応じて重さが明確に分かれます。登録対象である個人位置情報事業を登録せずに行う場合が最も重く、届出対象の事業を届出せずに行う場合がこれに次ぎます。以下の数値はいずれも法律に直接規定された法定刑・過怠料の上限です。

違反行為制裁根拠条文
登録せずに位置情報事業を営む/虚偽その他不正な方法により登録5年以下の懲役または5,000万ウォン以下の罰金法第39条第1号
変更登録をせずに位置情報事業を営む3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金法第40条第1号
届出をせずに事物位置情報事業を営む3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金法第40条第1号の2
届出をせずに位置基盤サービス事業を営む(小商工人特例の期限徒過を含む)3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金法第40条第2号
承認を受けずに休業・廃業2,000万ウォン以下の過怠料法第43条第1項第3号
譲受・相続・合併・分割の届出を怠った場合1,000万ウォン以下の過怠料法第43条第2項第1号
休業・廃業の届出を怠った場合1,000万ウォン以下の過怠料法第43条第2項第2号
利用約款の未公開/個人位置情報処理方針の未公開1,000万ウォン以下の過怠料法第43条第2項第3号・第7号の2

刑事処罰とは別に行政処分も併行します。虚偽その他不正な方法により登録・変更登録・認可を受け、または届出をした場合、放送メディア通信委員会は必ず登録・認可を取り消し、または事業の廃止を命じなければならず(法第13条第1項ただし書)、その他の事由については6か月以内の事業停止を命ずることができます。廃止命令を受けると1年間は新規届出が閉ざされるため、事業の継続性に与える打撃は大きくなります。

整理すると、実務上最も危険なのは「個人位置情報を扱っていながら届出対象と判断して進めてしまう」パターンです。類型の判断がそのまま罰則の重さの判断になりますので、サービス企画の段階で位置情報のフロー図を作成し、各段階の情報が個人位置情報に当たるかどうかを確定してください。業種ごとの許認可判断に迷う場合の確認ポイントは許認可行政士の選び方ガイドにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業者でも個人位置情報事業の登録はできますか?

A. できません。位置情報法第5条第1項第1号が登録要件として「法人であること」を明示しているため、個人事業者は法人化した後でなければ申請できません。一方、事物位置情報事業の届出と位置基盤サービス事業の届出には法人要件がありません。

Q. 位置情報を自ら収集せず、地図APIのみを利用するアプリも届出対象ですか?

A. 個人位置情報を利用して利用者にサービスを提供するのであれば、自ら測位しない場合でも位置基盤サービス事業の届出対象です。ただし、個人位置情報を対象としない位置基盤サービス事業は届出の対象から除外されます。

Q. 個人位置情報事業の登録にはどのくらいかかりますか?

A. 施行令第2条第5項により、申請書を受理した日から2か月以内に登録の可否が通知され、やむを得ない事情がある場合は2か月の範囲で1回に限り延長されます。書類補完に要した期間はこの2か月に算入されません。

Q. 小商工人の特例で届出をせずにサービスを開始しました。いつまでに届け出ればよいですか?

A. 事業開始から1か月が経過した後も継続して運営する場合は、事業開始日から1か月以内に届け出る必要があります。その後、小商工人等に該当しなくなった場合は、事由の発生日から1か月以内に通常の届出へ補完しなければなりません。

Q. 事務所を移転した場合はどの手続が必要ですか?

A. 3類型のいずれも、主たる事務所の所在地の変更は変更届出の対象です。ただし個人位置情報事業者が位置情報システムを変更する場合は変更届出ではなく変更登録の対象ですので、移転に伴いサーバー等の主要設備も移す場合は変更登録として処理します。

Q. 登録・届出の代行費用はいくらですか?

A. 費用は案件ごとに異なるため、無料相談の際に正確にご案内いたします。

条文の原文は国家法令情報センターの位置情報の保護及び利用等に関する法律および同法施行令でご確認いただけます。

無料相談を申し込む

位置情報事業の登録および位置基盤サービス事業の届出について、類型判断から事業計画書の作成・補完対応まで、YouSun Administrative Attorney(日本の行政書士事務所に相当する韓国の行政士事務所)がサポートいたします。電話 +82-2-363-2251、平日 09:30〜17:30 KST。

無料相談を申し込む

YouSun Administrative Attorney(代表行政士 정유선) · 「位置情報の保護及び利用等に関する法律」(法律第21066号、2025年10月1日施行)および同法施行令(大統領令第36084号、2026年2月10日施行)基準で作成 · 最終確認日:2026年9月16日